第二回 ローヤルエンジニアリングコンペ入賞者が決定しました。
■最優秀賞
22 熊木 匡 新潟日建工科専門学校 「トイレ鉄道」
集合時間、式の開始時間が変わりました。ご注意ください。
今年の審査員は、隈研吾氏!
ローヤルエンジニアリングは、建築設備の企画・設計・施工・保守を一貫して担う「快適環境創造会社」です。
近年は、上下水道に頼らず地域の水を汚さない「循環式トイレ」の研究開発にも力を注いでいます。
このコンペは、全国の専門学校生の皆さんに向けて、日ごろの学びや創造力を発揮できる実践の場として開催しています。
第2回テーマ:
今回の舞台は、熊本県・高森町。
阿蘇くじゅう国立公園の南に位置し、阿蘇五岳のひとつ「根子岳(ねこだけ)」や、
阿蘇カルデラから湧き出る豊かな水源、四季折々に変化する美しい風景で知られる町です。
今回敷地に設定したのは「湧水トンネル公園」。
かつて国鉄時代に掘られたトンネルが水脈にぶつかり、工事は断念されました。
しかし今では、絶え間なく湧き出る清らかな水とトンネルが幻想的な空間をつくり出し、
人々を魅了する観光スポットとなっています。
この公園にふさわしい「循環式トイレ」を提案してください。
高森のかけがえのない資源である「水」と「鉄道」の歴史を受け継ぎながら、
地域や観光に寄与する建築をデザインすることが求められます。
未来を担う皆さんの自由で大胆な挑戦を、心から楽しみにしています!
審査員長 隈 研吾 建築家 / 隈研吾建築都市設計事務所
審査員 草村大成 高森町長
本多 健 建築家 / 株式会社HOOP 代表取締役
水登健介 株式会社ローヤルエンジニアリング 代表取締役社長
※敬称略
隈研吾 略歴
1954年生。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授、日本芸術院会員。
50を超える国々でプロジェクトが進行中。
自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案。主な著書に『隈研吾 オノマトペ 建築 接地性』(エクスナレッジ)、『日本の建築』(岩波新書)、『全仕事』(大和書房)、『点・線・面』(岩波書店)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』、『小さな建築』(岩波新書)、他多数。
■設計条件
・バリアフリートイレ(男女共用) 2200以上×2200以上 :1室
・男性用トイレ:洋式便器1基 小便器2基
・女性用トイレ:洋式便器2基
・循環機械室(自己処理設備)2000以上×2000以上 :1室
上記を基本とし、自由に条件は変更して良い。
■敷地
敷地図(DXF/PDF)をダウンロードし、図面中の公園の範囲内には自由に設置して良い。11月5日更新
■応募資格
・2026年2月28日時点で、専修学校・専門学校・高等専門学校・高校に在籍する学生(個人またはグループ)
■設置場所及び条件
・設置場所:「湧水トンネル公園」
※応募登録していただいた方には詳細な敷地条件、設計条件をお送りします。
■審査基準
・テーマである「高森町のトイレ」に沿った提案であるか。
・地域の特性や周辺環境への配慮が表現されているか。
※設備・構造に関する提案は不要です。
■賞金
・最優秀賞 10万円
■募集期間
・2026年2月28日(土曜日)締め切り (応募登録は2月20日まで)
2.提出物 注意事項
■提出物(応募フォーム)
1. 提案書:A3サイズ 横使い(297mm×420mm)のPDFデータ(3M以内) 1枚
2. 基本情報:タイトル(30文字以内)コンセプト(300文字以内)基本情報(学校/氏名など)等
■提案書について
平面図 立面図 パース 模型写真 等、1枚にまとめる。 図面表現に関しては自由
■送付先
上記内容を応募フォーム(作品提出ボタン)より送信してください。
■質疑等
コンペに関する質疑応答は行いません。 規定外の問題は応募者の自由裁量とします。
また、審査結果に関するお問合せ、異議申し立ては一切受け付けません。
■提出物、その他注意事項等について
(1) 応募フォームに応募者の住所、氏名(ふりがな)年令、所属(学校名)電話番号、メールアドレスなどを記入してください。
(2) 応募作品は応募フォームからのみとし、持参や郵送での受け付けはできません。
(3) 応募作品データは返却いたしません。
(4) 提案作品は未発表作品に限ります。
(5) 応募作品の著作権は応募者に帰属しますが、HPや出版物への掲載に関する権利は主催者が保有ます。
※入賞作品や学校名、氏名などを発表いたしますので予めご了承下さい。
(6) インターネット上の写真を使わないようにしてください。また、写真利用のコピーライト等の指定がある場合は、
あらかじめ明記ください。
(7) 応募作品及び、応募/入賞によるトラブル等に関して、すべて応募者の責任となります。
(8) 入賞後に著作権侵害やその他の疑義が発覚した場合は、すべて応募者の責任となります。
また、そのような場合は主催者の判断により入賞等を取り消すことがあります。
(9) 当コンペにご提供いただいた個人情報は、当コンペの運営に必要な連絡、案内、もしくは、応募者に有益と思われる
イベント等の情報提供等に使われます。
業務上必要範囲内で、委託業者に開示、提供する場合を除き、本人の同意を得ることなく個人情報を第三者に開示、
提供することはありません。
(10) 当コンペ参加に掛かる費用は、応募者の負担とします。
(11) 当コンペご登録者には、主催者、協賛企業等からメールなどで建築情報等をお送りすることがあります。
ローヤルエンジニアリング全国専門学校生対象建築学生コンペ 2024-2025
入賞者発表(2025.05.24 )
〇最優秀賞 「和紙のトイレ」
東京日建工科専門学校 今琉惺
〇審査員賞
・水登賞:「Gathering Place」
仙台工科専門学校 遠藤桜 大内花純
・本多賞:「皆、流動する」
豊田工業高等専門学校 建築学科 戸軽大智
・ローヤルエンジニアリング賞 :「いつもの西川 ~飾らない姿と触れ合うトイレ~」
青山製図専門学校 佐野彰彦
・ローヤルエンジニアリング賞 :「自然のしずく」
鹿児島工学院専門学校 建築デザイン学科 上村麗子
最優秀賞 今琉惺さん
東京日建工科専門学校
遠藤桜さん 大内花純さん
仙台工科専門学校
上村麗子さん
鹿児島工学院専門学校
最優秀賞 「和紙のトイレ」
東京日建工科専門学校 今琉惺
講評
西川町の地域的背景を丁寧に調査し、それを設計に取り込んだ提案と感じました。提案にある「月山和紙」は、豪雪地帯である西川町の冬季の副業として生まれた「西川和紙」を源流に持ちます。後継者不足の中で一度衰退しつつも、「自然と匠の伝承館」にて「月山和紙」として復活したという歴史を踏まえた素材の選定に、地域への深い理解と敬意が読み取れました。
本提案では、国産の楮を使用し、化学的な漂白を行わず、手漉きにこだわって作られている月山和紙の特性――繊維の揺らぎやムラが光を柔らかく透過する点――を活かし、光のデザインへと展開している点が非常に優れています。
ランプシェードのように和紙を用いたトイレ空間は、白銀の雪景色に優しい光を灯し、国道を通り過ぎる車窓から、冬季の公園に新たな魅力をもたらす「名所」としての可能性を感じさせます。(本多)
水登賞:「Gathering Place」
仙台工科専門学校 遠藤桜 大内花純
講評
「魅力全力発信トイレ」というキャッチフレーズに惹かれました。
その名の通り、トイレという機能に加え、風景の中で存在感を放つ建築としての提案に仕上がっています。雪に覆われた風景の中に現れるドーム屋根は、大きなかまくらのような印象を与え、来訪者の記憶に残るランドマークになるでしょう。
また、本提案では、屋外の公衆トイレにおいてこれまであまり活用されてこなかった「出入り口のまわり」に着目し、そこを人が集まり、待ち、光があたる場として再構成している点や、積雪地ならではの設計的配慮も随所に見られ、地域に根差した建築のあり方が丁寧に考えられていることが伝わってきました。きっと、日常の経験や、学校での指導などで、意識してきたことなのかと審査中に感じました。(本多)
本多賞:「皆、流動する」
豊田工業高等専門学校 建築学科 戸軽大智
講評
地域の歴史にしっかりと目を向けた提案です。
かつてこの地域に存在した山形交通三山線(1974〈昭和49〉年廃線)について触れ、現在も一部区間において線路跡が遊歩道や自転車道として整備されていることに注目している点は、地域の記憶と空間を丁寧に読み解こうとする姿勢が感じられます。
建築として最も魅力的だと感じたのは、雪国の気候を肯定的に捉えた空間構成です。建物を覆うようにかけられた大きなルーバー状の庇は、夏には木陰を生み出し風が抜ける開放的な空間をつくり、冬には雪が積もることで隙間が埋まり、風を適度に遮断して内部環境を守る構造になっています。
特に印象的に感じたのは、積もった雪を透かして風景を見るという視点です。雪をただの厄介な自然条件としてではなく、設計の一部として取り込んだ美しい発想だと感じました。
トイレと機械室を機能的に中央にまとめ、その上から大きく覆うような構成も、雪に覆われる地域での合理的かつ柔らかなデザインアプローチと言えるでしょう。実際の運用には床暖房やロードヒーティングなどの設備的配慮が求められるとは思いますが、建築が気候と対話しているような提案は好感が持てます。
また、「人のためだけでなく、鳥のためにもなる建築」という視点に、設計者の優しいまなざしが感じられ、空間に宿る物語性をより豊かなものにしています。
※今回応募が少なかった高等専門学校の作品です。専門学校生対象とタイトルに使ってますが、高専生大歓迎です!(本多)
ローヤルエンジニアリング賞 :
「いつもの西川 ~飾らない姿と触れ合うトイレ~」
青山製図専門学校 佐野彰彦
講評
非常にダイナミックな構成が印象的な提案です。
睦合公園は、サッカーやテニスが楽しめるスポーツ公園として利用されており、その場の特性を活かし、眺望を確保した展望スペースと、山形らしい芋煮会に対応する調理室を備えたトイレとして計画されている点を評価しました。
展望台・調理室・トイレといった構成要素は、地震などの災害時にも直感的に役に立つ構成となっており、平時と災害時の両方で地域に寄与する「フェーズフリー」な発想が感じられます。
内部空間も非常に魅力的です。傾斜した壁面に切り取られた風景は、これまでの西川町にはなかった新たな視点をもたらし、
場所の魅力を再発見させてくれる力があります。構造と空間の関係性を利用しながら、利用者に対して印象深い体験を提供しようとする意図が明確に伝わってきました。
構造美と実用性、そして地域文化への配慮が共存する優れた提案として選びました。(本多)
ローヤルエンジニアリング賞 :「自然のしずく」
鹿児島工学院専門学校 建築デザイン学科 上村麗子
講評
本提案は、与えられた課題文の趣旨を最も誠実に読み解いた上で構想された提案です。
ローヤルエンジニアリングの考え方、つまり、トイレの汚水を濾過・分解し、再利用するシステムを導入することで、川に流れる水を美しく保ち、かつ資源を循環させるという環境負荷の少ない仕組みを建築に丁寧に反映しています。
建物形状は、2枚の葉が広がるような屋根形状を採用し、雨水を一点に集約して周辺の植栽への散水に活用する仕組みを備えている点も好感が持てます。
※ローヤルエンジニアリングのシステムでは、雨水を手洗いに濾過、殺菌して利用します。
さらに、外観そのものが水の循環や自然との共生を視覚的に想起させる造形であることも、地域の人々や訪問者にとって、環境配慮の意識を喚起する装置として機能する可能性を持っています。
建築は使われるだけでなく、語りかける存在でもあるという点において、本提案はその力可能性を持っています、惜しいところは、人の目線でも2枚の葉の様に見えるデザインにするか、水の流れを意識できるデザインにできると、さらに良くなったでしょう。(本多)